2016年12月04日

「支倉常長の日仏航海とはやぶさの宇宙航海」に参加しました



 12月4日 (日) 、石巻市河北総合センター「ビッグバン」文化交流ホールにおいて、「支倉常長の日仏航海とはやぶさの宇宙航海」が開催されました。
 この講演会は日仏交流の先駆けとなった支倉常長のフランス航海について紹介し、現代の日仏宇宙協力と最先端の宇宙科学について広く市民に関心を持ってもらうことを目的として企画されたものです。

  • 亀山紘石巻市長の画像

    亀山紘 石巻市長

  • 濱田直嗣先生の画像

    濱田直嗣先生
    (宮城県慶長使節船ミュージアム・館長)

 亀山紘 石巻市長からのご挨拶の後、「支倉常長の日仏航海」と題した第一部講演会が行われました。始めに、濱田直嗣先生 (宮城県慶長使節船ミュージアム・館長) から「支倉常長とサントロペの出会い:日仏交流関係の始まり」について講演があり、支倉常長が石巻を出港し、フランス・サントロペにたどり着くまでのエピソードを当時の資料などを交えながら紹介されました。
 続いて、ジャン=ピエール・チュヴェリ市長 (フランス・サントロペ市長) とローラン・パブリディ先生 (海洋芸術科学アカデミー・歴史家) からのビデオメッセージが上映されました。サントロペ市の紹介やサントロペ市と日本の関係、また支倉常長の時代の世界情勢などについて、参加者はメモを取るなど熱心に聞き入っていました。


 第二部は「はやぶさの宇宙航海」として、はやぶさサンプルリターンミッションの第一人者である先生方からの講演が行われました。始めに、川口淳一郎先生 (JAXA宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系教授・シニアフェロー) から「世界で初めて小惑星に着陸した小惑星探査機はやぶさ」と題して、これまでのはやぶさ計画や将来の深宇宙探査について時折ユーモアを交えながらお話をしていただきました。

  • 川口淳一郎先生の画像

    川口淳一郎先生 (JAXA宇宙科学研究所
    宇宙飛翔工学研究系教授・シニアフェロー)

  • 参加者の画像

    熱心に話を聞く参加者

 次に、中村智樹先生 (東北大学大学院理学研究科地学専攻・教授) が、はやぶさが持ち帰った微粒子からどのようなことが分かったのか、また将来どんな小惑星を探査するのかについて講演され、貴重な研究データなども紹介されました。
 続いてパトリック・ミシェル先生 (コートダジュール天文台・天文学者) から、日本とフランスの宇宙協力に関する内容や、自身の研究分野に関して紹介があり、日仏宇宙協力のつながりの強さを感じた講演でした。
 最後に吉田和哉先生 (東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻・教授) が「ロボットによる月惑星探査」と題して、宇宙探査ロボット技術の紹介をされ、学生でも人工衛星を作って飛ばすことができる研究室の取り組みなどについてもお話をしていただきました。

  • 中村智樹先生の画像

    中村智樹先生
    (東北大学大学院理学研究科地学専攻・教授)

  • パトリック・ミシェル先生の画像

    パトリック・ミシェル先生
    (コートダジュール天文台・天文学者)

  • 吉田和哉先生の画像

    吉田和哉先生
    (東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻・教授)

  • 講演者の集合写真

    講演者の先生方

 この講演会は参加者にとって日本とフランスの様々な面でのつながりを感じることができたとともに、日本の最先端の宇宙開発に触れることができる機会となったのではないでしょうか。「作り方がわからないからこそ取り組む価値がある」「夢みたいな話を実現する」という講演者の先生方の言葉が印象的でした。