2016年7月10日

「小中高生のための宇宙科学講演会」に参加しました

 7月10日(日)、スリーエム仙台市科学館において、「小中高生のための宇宙科学講演会」が開催されました。
 この講演会は、宇宙にある物質を地球に持ち帰り、その物質を研究することで宇宙や惑星についての謎を解明していくプロジェクト「地球外サンプルリターンミッション」について、小中高生にわかりやすく解説するという企画です。講師は、マイク・ゾレンスキー先生(NASA ジョンソン宇宙センター)。地球外物質を研究している鉱物学者で、NASAでは宇宙のちりや彗星のサンプルの解析などをされています。

  • 中村智樹先生の画像

    中村智樹先生

  • ArduinoとBluetoothマイク・ゾレンスキー先生の画像

    マイク・ゾレンスキー先生

 講演会は、まず、中村智樹先生(東北大学大学院理学研究科・教授)による、太陽と惑星の構成や太陽系サンプルリターンミッションの歴史、プロジェクトに関わる探査機の説明などの基本的な解説から始まり、近年、日本国内でも話題になったはやぶさのミッションと成果についてもお話がありました。
 基本的な説明の後は、いよいよ、ゾレンスキー先生が英語で講演を開始(同時通訳付き)。「地球外サンプルリターンミッションの新黄金時代」と題して、彗星や小惑星のサンプルを持ち帰る重要性と難しさ、サンプルの解析結果が予想とは大きく異なっていると判明した時の驚きなど、とても面白いお話をしてくださいました。さらに、先生は時々ビデオを上映しながら、探索機が彗星に接近する時のシミュレーションや隕石が飛来した時の被害などについても詳しく解説してくださいました。普段は聞けない最先端の研究の話が盛りだくさんで、宇宙をとても身近に感じることができました。

  • 参加者の画像

    熱心に講演を聴く参加者

  • ArduinoとBluetooth質疑応答の画像

    参加者の質問に耳を傾ける中村先生とゾレンスキー先生

 その後の質疑応答では小学生や中学生からの質問が絶えず、ゾレンスキー先生は時折ユーモアを交えながら、ていねいに回答を示されていました。こうして、子供たちの宇宙への想像力を大いにかき立てた科学講演会は、大盛況のうちに幕を閉じました。あの日、科学館で目を輝かせていた小中高生の中から、将来、宇宙の謎を解明する研究者が現れるかもしれません。