2021年9月14日

東北大学知の創出センター×アクサ協働プログラム
「デジタル社会における保険イノベーション」キックオフシンポジウムを開催しました

 2021年9月14日 (火) 、東北大学知の創出センター×アクサ生命保険株式会社協働プログラム「デジタル社会と保険イノベーション」キックオフシンポジウムがオンラインで開催されました。これは、2021年10月より3年間にわたって実施される東北大学知の創出センター×アクサ生命保険株式会社協働プログラム「デジタル社会と保険イノベーション」の趣旨を知っていただくために行われました。本プログラムでは、多様な人材が共に集い、多彩な切り口から、保険の新たな可能性を探究していきます。

 開会にあたり、安渕聖司氏 (アクサ生命保険株式会社 代表取締役社長兼CEO) よりご挨拶を賜りました。安渕氏は、東日本大震災からの復興に力を発揮してきた東北大学、その教授陣および学生の方々とともに、未来の保険へ向けた実りある議論が行われることに期待を寄せていると述べられました。

  • photo

    開会挨拶
    安渕 聖司
    (アクサ生命保険株式会社 代表取締役社長兼CEO)

  • photo

    閉会挨拶
    小谷 元子
    (東北大学 理事・副学長(研究担当)/ 東北大学 研究推進・支援機構 知の創出センター長)

 続いて、2つの基調講演が行われました。最初に、米山高生氏 (東京経済大学教授/一橋大学名誉教授) による基調講演「インシュアテックが保険に与える影響:保険の理論から考える」が行われました。米山氏は、保険理論の観点から、ICT技術に基づく「インシュアテック」の発展が保険に与える本質的な影響と、それが保険市場の効率性を実現する道筋についてお話しくださいました。

 次に、松田貴夫氏 (アクサ生命保険株式会社 取締役 専務執行役員/日本アクチュアリー会 正会員) による基調講演「ペイヤーからパートナーへ〜保険ビジネスモデルの変革〜」が行われました。松田氏は、アクサでの事例も交えながら、デジタル社会における保険のトランスフォーメーションと、顧客との新しい関係性についてお話し下さいました。

  • photo

    米山 高生
    (東京経済大学 教授/一橋大学 名誉教授)

  • photo

    松田 貴夫
    (アクサ生命保険株式会社 取締役 専務執行役員/日本アクチュアリー会 正会員)

 休憩をはさんで、東北大学の先生方による2つの特別講演が行われました。まずは、荻島創一氏 (東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授) による特別講演「コホート・バイオバンクのデータによる未来型医療への取組」です。荻島氏は、コホート・バイオバンクのデータによる未来型医療や、東北メディカル・メガバンク計画をはじめとした国内外の動向についてお話しくださいました。

 次に、「社会経済のデータサイエンス」と題し、照井伸彦氏 (東北大学大学院経済学研究科教授) よりお話しいただきました。照井氏は、ビジネスにおけるパーソナリゼーションをキーワードに、社会経済におけるデータサイエンスの役割と影響についてお話しくださいました。そのうえで、本プログラムが、保険に関わるデータサイエンティストの育成につながることを期待していると述べられました。

  • photo

    荻島 創一
    (東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 教授)

  • photo

    照井 伸彦
    (東北大学 大学院 経済学研究科 教授)

 最後に、山内恒人氏 (東北大学 知の創出センター) をモデレータとして、岩沢宏和氏 (東北大学 知の創出センター) と河島鉄郎氏 (アクサ生命保険執行役員) をパネリストに迎え、パネル討論が行われました。日本アクチュアリー会正会員として保険の数理業務に長年携わってきた方々です。その経験をもとに、河島氏と岩沢氏には、保険業務における数理やデータサイエンスの必要性や課題について議論していただきました。両氏は、本学で保険に関する講義を担当する予定で、その抱負についても述べられました。

  • photo

    パネルディスカッションの様子

今回のキックオフシンポジウムでは、245名の参加登録があり、本シンポジウムに対する関心の高さを窺い知ることができました。これからの協働プログラムの活動を通して、様々な議論が活発になることが期待され、多くの学生や研究者・市民の方々に有意義な場となったのではないかと思います。