2025年度 集中講義「リスクデータサイエンスと保険」(OLIS生命保険寄附講義)
開催概要
本授業では、保険に関わる数学の専門家であるアクチュアリーの世界で研究されている「リスクを扱うためのデータサイエンス」を紹介する。
保険事業はもともとデータ解析を大いに活用しているが、機械学習手法などが発達した現代では、リスクを扱うための新たなデータサイエンスが強く求められており、研究されている。 本授業では、この分野の概要および近年の研究の数例を、理解に必要な背景とともに紹介する。
4日間の授業であり、初日に概要を説明し、2日目以降に研究例を紹介する。 紹介する研究例は、実際の出席者の興味や関心にできるだけ合わせたい。 特に、2日目以降にとりあげる研究は、出席者の要望を聞いて決める。その候補は以下のとおり (括弧書きは関連するキーワード)。
- 予測力も説明力もある予測モデリング手法の開発
(AGLM, 一般化線形モデル, 非線形への対応, 正則化, 離散化, 特徴量加工, Hachemeister賞) - 機械学習モデルにも使える予測誤差分解の汎用的手法の開発
(プロセス誤差・パラメータ誤差・モデル誤差, クロスバリデーション, ブートストラップ法, ランダムフォレスト) - ブラックボックスモデルを解釈するための手法に関する基本理論の研究
(Interpretable Machine Learning, Partial Dependence, Accumulated Local Effects, SHAP, 予測関数の分解, 主効果, 交互作用効果)
また、もともと短期集中のためにコミュニケーションの機会は限られるので、受講者が積極的に授業内容等について意見やコメントを述べることを期待する。
主な対象
東北大学理学研究科数学専攻、東北大学情報科学研究科、東北大学経済学部・経済学研究科の学生
(履修についてはご所属の研究科・専攻・学部の教務事務室にてお問合わせください)
参考書および資料
教科書は指定しない。参考書は授業中に適宜紹介する。
成績評価方法
- 原則として4日間とも出席した場合のみ成績評価の対象とし、評価の高低は提出されたレポートによる。
- 授業中の積極的、建設的発言は、加点対象とする
(100点満点換算での加点の上限 = (100–100点満点換算レポート評点) ÷ 2)。
日時
2025年6月2日(月) – 2025年6月5日(木)
場所
東北大学 青葉山キャンパス 数理科学記念館 (川井ホール) [アクセス]
講師
岩沢 宏和
(東北大学研究推進・支援機構 知の創出センター特任教授 (客員) /早稲田大学大学院会計研究科客員教授/日本アクチュアリー会正会員)
出席・参加方法
(出席・参加方法など詳細については後日アナウンスします。)
授業日程
6月2日(月) 13:00 – 17:00 (4時間)
6月3日(火) 13:00 – 17:00 (4時間)
6月4日(水) 13:30 – 16:30 (3時間)
6月5日(木) 13:00 – 17:00 (4時間)
ポスター
- ダウンロード [PDF]
お問い合わせ先
東北大学大学院理学研究科 (担当:楯)
Email: tatsuya.tate.c6★tohoku.ac.jp【★を@に変更してください】