2022年2月5日

仙台応用情報学研究振興財団×東北大学知の創出センター連携企画 仙台鼎談会「日本の未来は仙台から-先端技術と文化による都市モデルづくり」を開催しました

 2022年2月5日(土)、仙台応用情報学研究振興財団×東北大学知の創出センター連携企画仙台鼎談会「日本の未来は仙台から-先端技術と文化による都市モデルづくり」が、オンライン (YouTube Live) にて開催されました。本鼎談会は、公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団、東北大学 研究推進・支援機構 知の創出センターおよび東北情報通信懇談会の共同主催で開催されたものです。

 新型コロナウィルス感染症により、地域の生活や経済が一変してきました。新たな日常のなかで、感染症克服と経済活性化の両立という視点から、東京圏一極集中からの脱却と危機に強い地方経済の構築を目指す動きが活発になっています。東北大学と仙台市は、「日本の未来は仙台から」をキーワードとして、デジタル先端技術を活用した、人の幸せ(well-being) を大切にする都市モデルづくりをともに目指しています。そこで、本鼎談会では、コロナにも強いレジリエントな社会環境整備、文化を大切にする豊かなまちづくり、消費・投資の促進など、地方創生の戦略について産官学の立場から討論していただきました。

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    会場 N-ovalビル

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    講演風景

 今回の鼎談会の第一部として、一般社団法人ミュージックプロデュースMHKSとピアニストの山岸ルツ子さんによるコンサートを開催しました。新型コロナ感染症の急拡大のため、全面オンライン配信に切り替えざるを得なくなったこともあり、出演者の方々に演奏をお引き受けいただけるかどうか心配しておりましたが、快諾を得ることができ、実現に至りました。

 ミュージックプロデュースMHKSからは、櫻井希さん (フルート) と田原さえさん (ピアノ伴奏) による演奏が行われました。フィリップ・ゴーベールの「シシリエンヌ」や、フランツ・ドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」など数曲を演奏していただきました。

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    櫻井 希さん
    (フルート / ミュージックプロデュースMHKS)

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    田原 さえさん
    (ピアノ伴奏 / ミュージックプロデュースMHKS)

 ピアニストの山岸さんからは、フランツ・リストの「巡礼の年第3年:エステ荘の噴水」や「ラ・カンパネラ」など、数曲を演奏していただきました。配信元であるN-oval音楽サロンで新調されたスタインウェイのピアノの格調高い響きとも相俟って、聴き応えのある演奏をご披露いただきました。

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    山岸 ルツ子さん(ピアノ)

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    演奏風景

 仙台鼎談会は第二部として、郡和子仙台市長、藤原洋一般財団法人 インターネット協会理事長、ブロードバンドタワー代表取締役 会長兼社長 CEO、青木 孝文東北大学 理事・副学長 (企画戦略総括・プロボスト・CDO) の3名をお招きして、「日本の未来は仙台から」をテーマとした討論が行われました。

 開会挨拶として、主催団体の一つである公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団の野口正一理事長よりご挨拶をいただきました。野口理事長からは、仙台のGDP3%を向上させる方策を具体的に語ってほしいという期待を込めたご挨拶がありました。

 それに応える形で、3名の登壇者からショート・プレゼンテーションがなされました。藤原洋氏は、「日本の未来を仙台から創造する」というタイトルで大きな視点での都市づくりと、外の視点からの仙台の可能性を語ってくださいました。郡市長は、仙台市の街の魅力・文化の観点から、Greenest Cityの実現へ向けた都市計画・街づくりに関する政策についてお話しくださいました。最後に、青木 東北大学理事は、青葉山新キャンパス構想をはじめとして、次世代放射光施設計画等の先端技術による貢献、社会課題解決における市民との連携の試みなど、いくつかの具体的なプロジェクト事例を挙げて、仙台のまちづくりにおいて東北大学がどのように連携・貢献できるかについてお話しされました。

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    野口 正一氏
    (公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団 理事長)

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    藤原 洋氏
    (一般財団法人 インターネット協会理事長、ブロードバンドタワー代表取締役 会長兼社長 CEO)

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    郡 和子氏
    (仙台市長)

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    青木 孝文氏
    (東北大学理事・副学長 (企画戦略総括担当・プロボスト・CDO)

 ショート・プレゼンテーションを受けて、3つのテーマを中心にディスカッションがおこなわれました。一つ目のテーマは「経済」です。野口理事長が触れられた、仙台市GDP3%向上のためのアイデアについて、それぞれの立場からご意見をいただきました。2つ目のテーマは、スーパーシティ・スマートシティ構想です。魅力ある都市づくりへ向けて先端技術と文化をどうインテグレートできるかについて討論していただきました。欧州ではテクノロジー中心から人間中心のスマートシティにトレンドが変わってきています。討論では、この点を踏まえて、欧州の事例、市民参画、震災と社会起業家についての諸事例を交えた意見交換が行われました。最後に、これからのまちづくりとして、デジタル田園構想、Greenest City、グリーンイノベーションなどの政策について郡市長のお考えをお話しいただき、それに青木氏や藤原氏からの意見を加えた建設的な意見交換が弾みました。

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    討論の様子

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    集合写真

 最後に、3名の登壇者と野口理事長から、コメントをいただきました。いただいたコメントはどれも、仙台のあり方がまさに日本の未来を開く鍵となることが実感させるものでした。東北大学の舘田あゆみ特任教授のいつもながらの名司会にも助けられて、盛況のうちに終わることができました。なお、今回の鼎談会の資料や録画が追って配信される予定です。

 今回は、オンラインでの開催であり、仙台市内だけでなく、関東を含めて約350名を超える方々の参加申し込みがあり、盛況に開催ができました。たくさんのご参加ありがとうございました。