2022年3月26–28日

コンタクト・インプロビゼーションワークショップ&フォーラム:身体の動きによる非言語コミュニケーションを開催しました

2022年3月26日(土)、27日(日)、コンタクト・インプロビゼーションワークショップを開催しました。ワークショップは、東北大学電気通信研究所の会議室を会場に、午前に日本語グループ、午後に英語グループに分かれて実施されました。

ワークショップの最初に、参加者のリラクゼーション状態をチェックするウェブテストとアンケートを実施されました。その後、2人のプロダンサー、勝部ちこ氏 (コンタクト・インプロビゼーショングループCIco)、鹿島聖子氏 (コンタクト・インプロビゼーショングループCIco)により即興(インプロビゼーション)パフォーマンスを参加者と共に実践しました。参加者はまず自分の身体、心を意識して様々な動きを行い、相手を感じながら自分を主張する、あるいは相手を受け入れるなど、体の動きが自分自身や他人をよりよく知ることにつながることを体験していただきました。

ワークショップの最後に、参加者との交流時間も設けました。参加者から「コロナ禍になってから人と人との距離感が分からなくなって、このような体験を通じて人と対面する時の喜びが蘇りました」「今まで自分の体を意識していない部分がたくさんありました」など、たくさんのフィードバックをいただきました。

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    講師の鹿島 聖子氏 (左)、勝部 ちこ氏 (右)

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    参加者との交流時間

3月28日(月)はワークショップの内容を深めて、岡本悦子教授 (就実大学人文科学部表現文化学科)、勝部ちこ氏 (コンタクト・インプロビゼーショングループCIco)、鹿島聖子氏 (コンタクト・インプロビゼーショングループCIco)、曾加蕙准教授 (東北大学電気通信研究所) の4名をお招きして、それぞれの専門領域から「非言語コミュニケーション」をテーマとした討論が行われました。

東北大学の曾加蕙准教授によるイントロダクションから始まり、ゲストの紹介とフォーラムの趣旨を説明いただきました。その後、「コンタクト・インプロヴィゼーション (CI)とは?」について、勝部ちこ氏と鹿島聖子氏が参加された2014年にスペインで開催されたコンタクト・フェスティバルの映像を使いながら解説いただきました。CIは、「ふれあいContact」と「即興Improvisation」を特徴とする対話形式のダンスではありますが、「コンタクト」は「関係性」という広い意味で捉え、人と関わりながら即興で踊るという理念で活動しているとお話いただきました。

その後、岡本悦子教授が教育の現場で学習者の振り返りの言語を元に、ダンス授業を通した学生の育ちのプロセスのプレゼンテーションがなされました。例えば、即興創作の正解はひとつではないことから表現や解釈の多様性と向き合えること、自分の体は自分では直接見ることができないから、他者の視点をフィードバックするなど、学習者の成長プロセスの分析結果をご説明いただきました。

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    曾 加蕙 准教授 (東北大学電気通信研究所)

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    岡本 悦子 教授 (就実大学人文科学部表現文化学科)

パネルディスカッションでは、コロナ禍以降の交流の仕方、なぜCIは非言語コミュニケーションを学ぶのか意見交換されました。ワークショップの参加者からオンラインでの質問もあり、活発な議論が交わされました。

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    パネルディスカッションの様子

今回のワークショップとフォーラムに、「コンタクト・インプロビゼーション」を通じて「非言語コミュニケーション」とは何かを改めて考える場として、参加者の方々にとっても有意義な場となったのではないかと思います。たくさんの議論、ありがとうございました。

リンク:コンタクト・インプロビゼーションワークショップ&フォーラム:身体の動きによる非言語コミュニケーション (3月26-28日開催)