2022年1月6日

URA連携協議会 特別セミナー「大学連携型CCRC ~その本質と成功のポイント」(ハイブリッド)を開催いたしました

 2022年1月6日(木)、URA連携協議会特別セミナー「大学連携型CCRC ~その本質と成功のポイント」が、ハイブリッド形式で開催されました。本セミナーでは、三菱総合研究所の松田智生氏をお招きして、日本における大学連携型CCRC (Continuing Care Retirement Community)についてお話し頂きました。

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    松田智生氏
    三菱総合研究所

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    講演の様子

 CCRCとは、健康時から介護時まで継続的なケアを提供する集住コミュニティのことで、アメリカ発の取り組みです。アメリカでは、大学都市の特性を生かした大学連携型のCCRCも盛んにつくられています。松田氏によれば、世界でも有数の高齢社会である日本において、CCRCは、高齢者のストレスや独居等の諸問題を解決する糸口として有望であるとのことでした。特に、大学連携型のCCRCは、生涯学習やリカレント教育、研究活動など、老後を意欲的に過ごすためのリソースを多く提供することができます。また、CCRCの構築が雇用を生むことで地域貢献につながったり、大学の経営改善につながったりする事例もあるとのことでした。

 CCRCはアメリカ発の試みですが、近年は日本でもCCRCの実例がいくつか現れ始めています。アメリカのCCRCは、建物を新築したうえで高齢者が集住するという「塀の中のコミュニティ」の形をとる場合が多いといいます。それに対して、日本型のCCRCは、既存のストックを可能な限り活用したうえで、高齢者のみならず、多世代の人々が共に住まう「地域に開かれたコミュニティ」の形をとるのが特徴です。行政主導型や民間主導型など、さまざまな形態のCCRCが日本でも試みられつつあるとのことでした。

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    質疑応答の様子

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    質疑応答の様子

杜の都とも称される仙台は、都市でありながらそこここに自然の息吹を感じられる魅力的な都市であり、東北大学をはじめ、複数の大学を擁する学都でもあります。松田氏のお話は、高齢化社会の岐路において、その魅力を生かしたコミュニティをいかに構築していくべきかを問いかけるものであったように思います。今回のセミナーでは、150名を超える参加登録がありました。松田氏のご講演は、高齢社会という日本の現状に照らして、自分が将来どのようなコミュニティを生きたいかを考えさせられる、非常に有意義かつ興味深いものであったかと思います。たくさんのご参加、まことにありがとうございました。