2022年8月8日(月) ~9日(火)

公開講座「個別化ヘルスケアを作るビッグデータ~コホート・バイオバンクの利活用」を開催しました

 2022年8月8日(月) ~9日(火) 、東北大学星陵キャンパスにて「個別化ヘルスケアを作るビッグデータ ~コホート・バイオバンクの利活用」を開催しました。 本イベントは、東北大学知の創出センター×アクサ協働プログラム「デジタル社会における保険イノベーション」の一環として、東北大学東北メディカル・メガバンクと共同で開催したもので、スチューデントワークショップと公開講座を行いました。 1日半にも及んだスチューデントワークショップでは、大学院生を中心に約20名の参加者を得て、活発な議論が交わされました。公開講座には、50名余りの参加者がありました。なお、コロナの第7波が進む中、十分な感染症対策をとったうえで開催いたしました。

 スチューデントワークショップではまず、ワークショップのための情報提供として、三人の先生方よりご講演いただきました。 清田 純 氏 (理化学研究所生命医科学研究センター 統合ゲノミクス研究チーム チームリーダー) は、「個別化」「ビッグデータ」とはそもそも何か、また、その課題はいったい何かについて、お話しくださいました。 また、山本 雅之 教授 (東北メディカル・メガバンク機構 機構長) からは、コホート・バイオバンク構築によるデータ構築についてご紹介いただきました。 さらに、河島 鉄郎 氏 (アクサ生命保険株式会社執行役員商品開発本部長) からは、個別化医療に関係した保険の現状についてお話しいただきました。その後、参加者を3つのグループに分け、個別化医療の実現とその実現に向けた保険のあり方についてディスカッションが行われました。

  • photo

    清田 純 氏
    (理化学研究所生命医科学研究センター 統合ゲノミクス研究チーム チームリーダー)

  • photo

    グループディスカッションの様子

  • photo

    山本 雅之 教授
    (東北メディカル・メガバンク機構 機構長)

  • photo

    河島 鉄郎 氏
    (アクサ生命保険株式会社執行役員商品開発本部長)

 ディスカッションでは、個別化ヘルスケアにおけるデータの利活用をめぐる様々な課題を抽出して、議論を深める作業がおこなわれました。 健康を維持するためのデータ、医療に従事する方々の重要性など、幅広い議論が行われました。その結果は、8日夕刻にまとめられ、9日の午前中に発表の準備が行われました。 3グループとも、非常に斬新な切り口から新しい保険の提案を行っており、保険・医療の専門家が思わず唸るほどでした。

  • photo

    ディスカッションの様子

  • photo

    ディスカッションの様子

 9日の公開講座ではまず、松田 貴夫 氏 (アクサ生命保険株式会社 取締役 専務執行役員) から挨拶がありました。 次いで、山本 雅之 氏 (東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 機構長) より、「マウスの研究からヒトの研究・宇宙の研究へ」というタイトルでご講演いただきました。 続いて、平松 雄司 氏 (東京大学 未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 受託研究員 / アクサ生命保険株式会社 チーフデータサイエンティスト) のからは、「コホートデータで地域社会のみらいをつくる」というタイトルでご講演いただきました。 この二つの講演を受け、岩沢 宏和 氏 (東北大学 特任教授) をモデレーター、松田 貴夫氏をディスカッサントとして、討論が行われました。その後、スチューデントワークショップでの成果発表などが行われました。 スチューデントワークショップの発表では、各グループの代表から、研究・医療・保険、そして社会をつなぐ新規性の高い様々な提案がされました。

  • photo

    山本 雅之 教授
    (東北メディカル・メガバンク機構 機構長)

  • photo

    平松 雄司 氏
    (東京大学 未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 受託研究員 / アクサ生命保険株式会社 チーフデータサイエンティスト)

  • photo

    指定討論の様子

  • photo

    学生発表の様子

(写真提供:東北大学 東北メディカル・メガバンク機構)

 最後は、本ワークショップおよび公開講座の実現に尽力くださった、東北大学東北メディカル・メガバンク機構 長神 風二 教授による閉会の挨拶で締めくくりました。 これからの協働プログラムの活動を通して、様々な議論が活発になることが期待され、多くの学生や研究者・市民の方々に有意義な場となったのではないかと思います。たくさんのご参加ありがとうございました。