2022年7月21日

セミナー「心と体にやさしい園芸療法」(ハイブリッド)を開催しました

 2022年7月21日(木)、URAセンター主催・知の創出センター共催で、セミナー「心と体にやさしい園芸療法」が、知の館3F講義室にてハイブリッド形式で開催されました。
 講演者の千葉大学大学院園芸学研究院・准教授 岩崎 寛先生は、20年来園芸療法に取り組んでおり、森林療法など「緑の療法的効果」および「医療福祉機関における緑のあり方」や地域住民の健康に寄与する「緑による地域ケア」に関する研究と実践を長年行っていらっしゃいます。 日本園芸療法学会理事、日本ガーデンセラピー協会理事、日本緑化工学会副会長を兼任されています。

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    岩崎 寛 氏 (千葉大学大学院園芸学研究院)

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    講演の様子

 URAセンター房木による趣旨説明と先生のご紹介のあと、今回のセミナーでは、コロナ禍でガーデニングが着目される中、千葉大学で実践されている園芸療法のストレス軽減効果について、科学データを交えて紹介してくださいました。
ハーブが血圧を正常化する「癒し効果」があること、医療現場において、補完療法である園芸療法は、仕事が増えると医療関係者に嫌がられ拒否されたが、医療関係者を対象とすると、とても盛況で医療関係者のストレス軽減に効果があったこと、また知的障害者の園芸療法は、担当者がやっても無駄と思っていたが、根気強く進めていくと、子供が育った植物の頭を撫でるまでに至り、親がいつもしていたことを理解し植物にしていたと、園芸療法による成長があって意味があったこと、また高齢者のお庭のお手入れを兼ねて学生を派遣し、そうすることで健康調査を快く受け入れるようになったこと、など、病院緑化と園芸療法とランドスケープ学を網羅している岩崎先生ならではの成果の講演内容であり、多くの気づきと、これからの「癒しの杜」プロジェクトの発展方向が見出されました。
また、地域の農業高校を高齢者の健康維持のために巻き込んでいくことの重要性も示唆され、内閣府でクローズアップされている、「総合知」の課題として、東北大学として取り組んでいく内容のひとつであると、改めて実感させられました。

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    房木 ノエミ 氏 (東北大学研究推進・支援機構URAセンター)

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    講演の様子

みなさんも、お花を育ててみませんか?会話が一つ、増えるでしょう。
それが、岩崎先生が蒔いていった「タネ」であると感じました。ご参加、ありがとうございました。