2024年1月24日

仙台応用情報学研究振興財団×東北大学知の創出センター連携企画 仙台講演会「仙台から新しいIT産業の創出へ」を開催しました

2024年1月24日、仙台応用情報学研究振興財団×東北大学知の創出センター連携企画仙台講演会「仙台から新しいIT産業の創出へ」がオンラインで開催されました。 本講演会は、公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団、東北大学 研究推進・支援機構 知の創出センターおよび東北情報通信懇談会の共同主催で開催されたものです。

日本の未来社会のために、東京圏への一極集中からの脱却し、地方経済を活性化させることが喫緊の課題となっています。 仙台市を含めた東北地区での地方創生の具体的な提案が期待されるところです。今回の仙台講演会では、ITや半導体など産官学が協働する新しい産業の創出をテーマとして討論を行いました。

今回は、遠藤哲郎 東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター長、 徳田英幸 国立研究開発法人 情報通信研究機構 (NICT) 理事長、 北瀬聖光 日本電気株式会社 Corporate SVP兼ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門長の3名にご登壇いただき、講演と討論をお願いいたしました。 これに加えて、河村純一から東北大学に設置されるナノテラスについてのご説明もお願いいたしました。
開会挨拶として、主催団体の一つである公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団の野口正一理事長よりご挨拶をいただきました。 野口理事長からは、国際競争力が静かに沈んでいく日本の再生のための基本問題を皆様で考える機会にしたいとの冒頭のご挨拶をいただきました。 21世紀を牽引する新産業の欠如、旧態以前のビジネスの大きい存在、積極的なDX化の遅れによる世界的に見て低い生産性にある。 一方で、アジア諸国の急速な台頭により日本の国際競争力が低下しているといえるのではないか。 そのために、革新的なIT基盤をもつ新産業の創出が必要であるという持論をのべられました。 そのためにも、仙台から産学官金連携のもとで新しい産業を創出しようという本日の講演会の趣旨について説明がなされました。

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    野口 正一氏
    (公益財団法人 仙台応用情報学研究振興財団 理事長)

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    講演風景

それに応える形で、3名の登壇者から講演がなされました。遠藤哲郎教授からは、スピントロニクスをもとにした半導体技術の展開という立場から、 「スピントロニクス省電力半導体によるイノベーション—半導体のゲームチェンジ技術によるカーボンニュートラルへの貢献—」というタイトルでの講演をいただきました。 半導体はIT社会のなかでこれからも重要な役割を追っていくが、最も課題となるのが電力エネルギーの消費である。 それを克服するのがスピントロニクスであるという立場から研究の現状についてお話しをいただきました。熊本での半導体工場の誘致に続き、宮城県でも半導体製造が期待されるなかでの課題についても言及されました。 続いて、徳田英幸NICT理事長からは、日本の情報産業の創出の立場から、「コネクテッド・インキュベーション拠点からエコシステムの創出へ」というタイトルでのご講演をいただきました。 NICTのご紹介とともにこれからの研究の進め方として、リニア型モデルから非リニア型モデルへとより社会実装を意識した研究へと進め、 コネクテッド・インキュベーション拠点形成から様々なエコシステムの創出への具体的提案がありました。 3人目には、企業の立場から、北瀬聖光日本電気株式会社から、「NECのイノベーション、新たな成長事業の創出〜ヘルスケア・ライフサイエンス事業成長に向けて〜」のタイトルでのご講演をいただきました。 NECのイノベーション創出の体制、研究開発の強みからグローバルNo.1技術による現事業への貢献についてご説明をいただき、 新たな成長事業の創出としてヘルスケア・ライフサイエンス事業成長にむけた取り組みについてお話しをいただきました。

様々な立場から、ITをもとにした新しい産業の創出の提案がなされました。
これらの講演のあとに、河村純一光科学イノベーションセンター 副理事長 東北大学特任教授より、東北大学が進めているナノテラスの説明と進捗状況についてお話しをしていただきました。

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    遠藤 哲郎氏
    (東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター長)

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    徳田 英幸氏
    (国立研究開発法人 情報通信研究機構 理事長 (NICT)理事長)

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    北瀬 聖光 氏
    (日本電気株式会社 Corporate SVP兼ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門長)

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    河村 純⼀ 氏
    (⼀般財団法⼈ 光科学イノベーションセンター(PhoSIC) 副理事⻑/東北⼤学特任教授)

最後に、3名の登壇者と野口理事長から、コメントをいただきました。いただいたコメントはどれも、仙台のあり方がまさに日本の未来を開く鍵となることが実感させるものでした。 東北大学の舘田あゆみ特任教授のいつもながらの名司会にも助けられて、盛況のうちに終わることができました。 なお、今回の講演会の資料は、知のフォーラムのホームぺージに掲載されますのでぜひご覧ください。

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    舘田 あゆみ氏
    (東北大学IIS研究センター 特任教授)

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    集合写真

今回は、オンラインでの開催であり、仙台市内だけでなく、関東を含めて約106名の参加申し込みがあり、盛況に開催ができました。 たくさんのご参加ありがとうございました。