2026年10月6日

市民公開講座「エネルギーをほとんど使わない情報処理へ — ソリトンが拓く新しいエレクトロニクス」を開催しました

 2026年10月6日(火)17時より、東北大学片平キャンパス 知の館(TOKYO ELECTRON House of Creativity)3階講義室にて、市民向け講演会「エネルギーをほとんど使わない情報処理へ — ソリトンが拓く新しいエレクトロニクス」を開催しました。本講演会は、東北大学研究推進・支援機構知の創出センターの主催、東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター(SRIS)の共催により実施されました。

 講師には、浦項工科大学校(POSTECH)物理学科教授であり、韓国基礎科学研究院(IBS)人工低次元電子系センター長を務めるYeom Han Woong(ヨム・ハンウン)先生をお迎えしました。Yeom先生は1996年に東北大学大学院理学研究科で博士号を取得された、本学にゆかりの深い研究者です。固体表面のナノ・原子スケール構造や低次元電子物性を専門とし、韓国の科学技術政策にも携わってこられました。

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    Yeom Han Woong 氏
    (浦項工科大学校 教授)

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    会場の様子

今回の講演会では、情報技術の発展に伴う電力消費の増大や半導体微細化の限界を背景に、新たな情報担体として期待される「ソリトン」をテーマに取り上げました。トポロジーによって保護され、壊れにくく低エネルギーで情報を運べるソリトンの特性に着目し、最先端の顕微鏡技術による観察・操作と、超低消費電力の情報処理技術への可能性を紹介する内容でした。

当日は43名が参加し、研究者や大学関係者だけでなく、中学生を含む一般市民の方々にもご参加いただきました。講演では、ソリトンという普段なじみのない物理現象について、最先端の研究成果を交えながら、わかりやすくご紹介いただきました。専門的な内容でありながら、次世代の情報処理技術が持つ可能性を身近に感じられる講演となりました。質疑応答では、研究者だけでなく一般の参加者からも質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。中学生から大人まで、幅広い世代が最先端の科学に触れ、その面白さや可能性を共有する、盛況な講演会となりました。

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    司会:小野 新平 氏
    (東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター 教授)

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    質疑応答の様子

また、今回の東北大学訪問にあわせて、Yeom先生には次世代放射光施設NanoTerasu(ナノテラス)をご見学いただきました。Yeom先生は韓国の放射光施設にも精通されており、世界の放射光科学の動向をよくご存じでいらっしゃいます。見学後には、NanoTerasuの最先端の研究設備だけでなく、そこで働く研究者やスタッフが生き生きと研究に取り組む姿が印象的であり、施設の将来に大きな夢を感じたとの感想をいただきました。

本講演会を通じて、最先端の物性科学と将来のエレクトロニクスとのつながりを、市民の皆様に紹介する機会を設けることができました。ご参加いただいた皆様、ならびに開催にご協力いただいた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。