2026年7月21日
第2回TFC×TEL×RMC協働プロジェクト Sustainable Open Innovation Seminar「社会と知のフロンティアを拓く AI for Science」を開催しました
2026年7月21日(火)14:00–15:00、第2回TFC×TEL×RMC協働プロジェクト Sustainable Open Innovation Seminar「社会と知のフロンティアを拓く AI for Science」が、東北大学片平キャンパス 知の館(TOKYO ELECTRON House of Creativity)およびオンラインにて開催されました。本セミナーは、東京エレクトロン株式会社、東北大学 研究推進・支援機構 知の創出センター、東北大学 研究推進・支援機構 リサーチ・マネージメントセンターの共同主催により開催されたものです。
近年、生成AIをはじめとするAI技術は、私たちの日常生活や社会のあり方に大きな変化をもたらしています。さらに、AIは材料科学、生命科学、言語学、宇宙科学など、さまざまな学術研究の進め方にも影響を与えつつあります。こうした中で注目されているのが、AIを活用して科学研究を加速し、新たな発見や知の創出につなげていく「AI for Science」という考え方です。第2回セミナーでは、大阪大学 社会技術共創研究センター 特任准教授の工藤郁子先生をお招きし、「AI for Scienceの政策動向」をテーマにご講演いただきました。

本イベントのポスター掲示

会場の様子
講演では、2026年3月に閣議決定された「第7期科学技術・イノベーション基本計画」の記述を手がかりに、AI for Scienceをめぐる技術的な進展や科学研究の変化、各国の政策動向、倫理的・法的・社会的課題について解説されました。また、AIによって研究を進める「AI駆動科学」が、「第5の科学研究パラダイム」として注目されていることが紹介されました。将来的には、AIが仮説を立て、実験を計画し、結果を分析して次の仮説につなげるなど、科学研究のサイクル全体を担う可能性があります。こうした変化によって研究の速度や探索できる範囲が大きく広がる一方、研究者の役割そのものも変わっていくことが指摘されました。
講演の後半では、AI for Scienceがもたらす倫理的・法的・社会的課題について取り上げられました。AIによって論文や研究成果が増加した場合に生じる査読負担、生成AIが誤った情報を出力するリスク、既存の評価やデータに含まれる偏りをAIが増幅する可能性など、科学研究の質や信頼性に関わる課題が紹介されました。

工藤 郁子 氏
(大阪大学社会技術共創研究センター 特任准教授)
講演後に懇談している様子
AIによって研究が速く進み、より多くの成果が生み出されることが、そのまま科学をより良いものにするとは限りません。技術の進歩にただ合わせるのではなく、研究者や研究コミュニティ自身が、これからの科学の在り方を改めて考える必要があることを学ぶ機会となりました。
ご講演いただいた工藤先生ならびに、ご参加いただいた皆さまに厚く御礼申し上げます。今後もSustainable Open Innovation Seminarでは、社会と知のフロンティアを拓くための対話と交流の場を継続してまいります。3回目のセミナーも開催を予定しております。またのご参加をお待ちしております。