東北大学科学シンポジウム ニュートリノ研究に夢をのせて

東京大学卓越教授、同特別栄誉教授、東京大学宇宙線研究所長・教授、および同研究所附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター長、東京大カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員、埼玉大学フェロー等を歴任。ニュートリノ振動の発見により、2015年、アーサー・B・マクドナルドと共にノーベル物理学賞を受賞。2016年には基礎物理学ブレークスルー賞を受賞している、日本のニュートリノ研究のリーダー。
大阪大学理学部物理学科を卒業後、シカゴ大学エンリコ・フェルミ研究員、京都大学大学院理学研究科助手、同大学院准教授を経て、現職。研究テーマはニュートリノ物理。加速器を用いたニュートリノ振動実験(スーパーカミオカンデ実験、T2K実験、ハイパーカミオカンデ実験)を率いる。岐阜県飛騨市神岡町にある巨大ニュートリノ検出器「スーパーカミオカンデ」に向けて、295km離れた茨城県東海村の大強度陽子加速器施設(J-PARC)からミュー型ニュートリノのビームを打ち出し、ミュー型ニュートリノが電子型ニュートリノへ変化する「電子型ニュートリノ出現現象」が存在することを世界で初めて明らかにした。
大阪大学理学部物理学科卒業。同大学大学院修士課程において太陽ニュートリノ問題への挑戦を始める。その後、東京大学大学院物理学専攻博士課程に進学し、カミオカンデ・スーパーカミオカンデでの太陽ニュートリノ観測へ研究を進めた。1998年には「ニュートリノに質量があることの発見」により朝日賞をグループ受賞し、同年、東北大学ニュートリノ科学研究センター助教授に異動、カムランド実験の立ち上げに加わる。そこでの太陽ニュートリノ問題解決により、2004年、第1回小柴賞を共同受賞し、同年より同センター教授、2006年からは同センター長としてニュートリノ地球物理・天体物理などを推進している。知のフォーラム2016年度テーマプログラム「地球惑星ダイナミックス」オーガナイザー。
知のフォーラムと東北大学多元物質科学研究所の共同企画による一般講演会。ニュートリノのトップ研究者であるノーベル賞受賞者・梶田隆章氏、京都大学・中家剛教授、東北大学・井上邦雄教授をお招きして、それぞれの視点から研究の最前線について語っていただきました。