開催概要

東北大学知のフォーラムと卓越大学院プログラムが協働し、新型コロナウイルス (COVID–19) に関連するセミナーシリーズの第5回を開催いたします。現在、世界規模でCOVID–19の感染が拡大し、各国の公衆衛生や経済活動に大きな影響を与えており、このコロナウィルスとの共存を模索する新しい時代を迎えています。
今回は、コロナ新時代において社会や人々の生活のために人工知能がどう活用できるのかをテーマに、東北大学人工知能エレクトロニクス卓越大学院プログラムが中心となりオンラインセミナーを開催いたします。


日時
2020年10月19日(月)
15:30–18:15
開催方法
オンライン会議システム (WebEx)
配信元
東北大学人工知能エレクトロニクス卓越大学院プログラム事務局
定員
500名 (先着順・要申込)
ポスター
ダウンロード [PDF]

プログラム

総合司会・進行:金子 俊郎 (東北大学大学院工学研究科・教授、人工知能エレクトロニクス卓越大学院プログラムコーディネーター)


15:30–15:35
開催挨拶

山口 昌弘 (東北大学 副学長 (教育改革・国際戦略担当)、理学研究科・教授)

15:35–16:15
コロナ新時代に自然言語処理ができること

乾 健太郎 (東北大学大学院 情報科学研究科 教授)

16:15–16:55
コロナ新時代の画像処理の応用可能性

大町 真一郎 (東北大学大学院 工学研究科 教授)

16:55–17:35
量子アニーリングによるCOVID–19対策 –新しい生活様式における最適化–

大関 真之 (東北大学大学院 情報科学研究科 准教授)

17:35–18:15
COVID–19新時代の情報セキュリティ技術

川村 信一 (産総研サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 副研究センター長)

講師紹介

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乾 健太郎 (東北大学大学院 情報科学研究科 教授)


[Summary]
「言葉がわかるAI」の構築をめざす自然言語処理。「わかる」はもちろんまだ遠い目標ですが、それでも情報化社会の深化と相まって基盤技術と応用領域の双方で目覚ましい発展を遂げています。この講演では、コロナ新時代にAI/自然言語処理は何ができるかをテーマに、COVID-19に関する論文ビッグデータ解析、COVID-19関連のフェイクニュース対策、教育のオンライン化で威力を発揮する自然言語アセスメントなど、我々のチームの先進的な取り組み紹介します。


[Profile]
専門は自然言語処理、人工知能。1995年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士課程修了。同学助手、九州工業大学助教授、奈良先端科学技術大学院大学助教授を経て、2010年より現職。情報処理学会論文誌編集委員長・自然言語処理研究会主査、言語処理学会論文誌編集委員長、国際会議EMNLP-2019 Geneal Chair等を歴任、2020年より言語処理学会副会長。


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大町 真一郎 (東北大学大学院 工学研究科 教授)


[Summary]
大規模データとニューラルネットワークによる機械学習により、画像処理や画像認識の技術は飛躍的に向上し、応用範囲も広がっている。また、スマートフォンにはほぼ例外なくカメラが搭載され、街中にも防犯カメラや監視カメラが増加しており、さまざまな場面で画像が活用できるようになってきている。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐには「三密」を避けることが重要であると言われているが、人と人との接触を避けるための画像認識技術をはじめ、画像処理や画像認識のコロナ新時代における活用の可能性について考える。


[Profile]
1993年3月東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。同年東北大学情報処理教育センター助手。東北大学大学院工学研究科助手・助教授・准教授を経て、2009年より現職。パターン認識、画像処理、機械学習などの研究に従事。主著に『画像情報処理工学』 (共著、朝倉書店) 、『画像処理』 (共著、共立出版) 。電子情報通信学会論文賞など受賞。


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大関 真之 (東北大学大学院 情報科学研究科 准教授)


[Summary]
量子アニーリングは組合せ最適化問題を解く汎用的解法として提案され、これまでに多くの産業活用例が登場してきた。そうした科学技術の進化を目指し、これまで研究を行ってきた。しかしながら、2020年に起きたCOVID-19の感染拡大により、新しい生活様式への変更が迫られて社会の構造やあり方の変容が起こり、それに対して新しい課題を伴う最適化問題が登場してきた。量子アニーリングが持つ汎用的解法としての側面を生かして、多くの社会課題に向けて我々が提案してきたこと、そして実際にアプリとして触れるものを作ってきたことを紹介する。


[Profile]
2008年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。博士 (理学) 。京都大学大学院情報学研究科を経て現職。有限次元スピングラスの理論を確立したのち、統計力学を柱に、量子アニーリング、機械学習の両者に跨る研究活動を展開。日本の量子アニーリング技術の牽引役として産学連携活動に従事。JST START事業 (プロジェクト支援型) 「量子アニーリングで加速する最適化技術の実用化」の成果として株式会社Jijを創業。アカデミア人材の活躍の舞台を世に広げるため、株式会社シグマアイを創業、研究者自ら代表取締役となることで新しい形の産学連携のスタイルを模索する。


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川村 信一 (産総研サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 副研究センター長)


[Summary]
新型コロナウィルスの影響により新しい生活様式が求められ、非接触・非対面による社会活動が常態化する急速なパラダイムシフトが起きている。サイバー空間を介して直接の接触を最小限に抑えるアプローチでは、情報セキュリティ技術が一層重要性を増す。時代の要請に応える新しいセキュリティ技術、例えば暗号化したまま処理、AIのセキュリティ対策、AIによるセキュリティ対策、などの登場と共に、商取引、移動、金融、経済、防衛等、それらの応用はさらに広がるものと予想される。興味深いのは、ともするとサイバー空間=ソフトの世界と考えられ勝ちなのに対して、サイバー空間のセキュリティを確保するためには、信頼の基点としてのハードウェアセキュリティの重要性が一層高まる点である。新時代のセキュリティ対策を準備するうえで基本となる考え方について考察する。


[Profile]
1985年3月東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻修士課程修了。同年4月 (株) 東芝に入社し暗号と情報セキュリティの研究に従事。2012年より研究開発センター技監、2020年4月同社を定年退職。2018年11月より現職。静岡県出身。工学博士。

参加申込

参加申込は締め切りました。お申し込みありがとうございました。

お問い合わせ

東北大学人工知能エレクトロニクス卓越大学院プログラム
Email: aie–office★grp.tohoku.ac.jp【★を@に変更してください】
TEL: 022–795–4914
担当者:赤嶺 政巳