2021年2月23日

2020年度知のフォーラムテーマプログラム「人の幸せを大切にするIoT社会のデザイン」第2回市民カフェを開催しました

2021年2月23日(火・祝)、N-oval音楽サロン (仙台市青葉区錦町)にて、現地での対面参加とZoomを用いたオンライン参加によるハイブリッド形式で、第2回市民カフェ「人間中心のIoT社会とは?」が開催されました。今回の市民カフェは、前回の参加者から頂いた「オンライン参加者と対面参加者 (現地組) との距離感を感じた」というご意見を踏まえて、討議方法を工夫しました。少人数での対話を深めるために、対面参加者を1つのグループとしたうえで、オンライン参加者を2つのグループに分け、3つのグループによる討論を最初に行い、その後に全体討論を行いました。

 まず、東北大学の学生から、「変化するコミュニケーション」と題した問題提起がありました。新型コロナ感染拡大防止のため、突如として社会に課された「ニューノーマル (New Normal)」に関連して、新しいコミュニケーションにどのような利点や問題点があるのかについて参加者に問いかけました。

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    学生発表の様子

 その後、対面参加者とオンライン参加者に分かれ、「オンラインツールを使う中で感じた違和感や感情」について、ファシリテーターの誘導のもと、グループ対話を行いました。対面参加者は同じ空間にいることもあり、すぐに対話が盛り上がりました。オンラインでの議論では、最初は遠慮がちではあったものの、最後には活発な対話が展開されました。

とりわけ、Zoomに代表されるオンライン・コミュニケーションについて、画面越しにはうまく伝わらないものもあるのではないか、逆に、そうしたコミュニケーションによって開かれる新しい可能性もあるのではないかなど、さまざまな意見が出されました。

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    現地組の様子

 その後、全体対話の場に戻り、各グループのファシリテーターより、グループ対話の中から抽出されたキーワードに基づいて、議論の概略の紹介がありました。全体対話では、オンラインカルチャーの可能性と限界について議論が展開されました。たとえば、オンライン・コミュニケーションには、バーチャル旅行、遠隔飲み会など、物理的制約から解放されるという積極的な可能性があることが指摘される一方で、オンラインゆえの距離感や視線による圧迫感などの問題点もあることも指摘されました。

その他にも、バーチャルとリアルの差はどのような点にあるかという問いが提起され、「信用」「信頼」についての議論も展開されました。たとえば、リアルなモノは一度作られてしまえば安心して持ち続けられる一方、バーチャルなモノを利用するには、アプリや運営会社 (システム) に対する信用など、さまざまなものに対する信用・信頼が必要であり、バーチャルとリアルの差は、「信頼」「信用」しなくてはならない社会制度の量にあるのではないか、という声がありました。

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    全体議論のまとめ

 今回も学生や市民の方々に有意義な場となったのではないかと思います。たくさんのご議論、ありがとうございました。

リンク:www.tfc.tohoku.ac.jp/special/tel/index.html