アインシュタインがその存在を予言した重力波について、初観測に貢献して、2017年ノーベル物理学賞を受賞した1人であるBarry C. Barish氏 (カリフォルニア工科大学名誉教授 / カリフォルニア大学リバーサイド校教授) が重力波の観測について語ります。本学名誉教授 山本均氏 (バレンシア大学客員教授) から、Barish氏の業績の紹介とともに、宇宙誕生を解明するための素粒子研究と宇宙物理学の最先端の研究動向についてお話しを伺います。
講演概要
ヒッグス粒子で宇宙を解明する
山本 均 (東北大学名誉教授 / バレンシア大学客員教授)
2005年から2013年の8年間、Barry Barish教授は素粒子物理学の次世代実験施設として計画されている「国際リニアコライダー (ILC)」の世界組織のリーダーを務めた。19世紀末の電子の発見が物理学の新しい時代の幕を開けたように、長らくその存在が予想され2012年に発見されたヒッグス粒子は素粒子物理学の新時代をもたらすと期待されている。そのヒッグス粒子を詳細に研究し宇宙創生の謎に迫ろうというのが現在次世代素粒子実験施設として世界的に最優先と考えられているヒッグスファクトリーであり、ILCはそのいくつかある候補のうちで最も実現に近いと考えられている。その素粒子物理学の最前線を見渡し、Barish教授が自らの研究生活の8年間を捧げたヒッグスファクトリーの現状を述べる。
重力波の初観測
2017年ノーベル物理学賞受賞Barry C. Barish (カリフォルニア工科大学名誉教授 / カリフォルニア大学リバーサイド校教授)
アインシュタインが1916年に予言した重力波の観測は、一般相対性理論の重要な検証であると同時に、新しい天文学の創生を意味している。現代の天文学は、電磁波を用いることにより、宇宙の複雑さとその進化に関して驚異的な理解を可能にしている。現在、重力波とニュートリノは、それら同じ現象のいくつかを全く違ったやりかたで研究する機会、および電磁波では不可能だった現象を観測する機会を提供し始めている。この講演では、重力波の観測とそれによる新しい科学分野の台頭および将来への見通しを概観する。
日時 | 2022年3月5日(土) 9:00 – 11:00 |
---|---|
会場 | オンライン (YouTube Live) ※ 講演は同時通訳(日・英)で行います。 |
ポスター | ダウンロード [PDF] |
---|---|
参加費 | 無料 |
申込 | 必要事項を入力後、送信ボタンを押してください。 |
申込締切 | 2022年2月28日(月)10:00 |
質問について |
講師へのご質問を事前に募集します。質問は、予めこちらでまとめて、MCが質問をいたします。 (時間の関係ですべての質問にお答えできないこともありますので、ご承知おきください) 質問をご希望になる方は、登録フォームの指定された欄に記入ください。 |
主催 | 東北大学 研究推進・支援機構知の創出センター |
共催 |
東北大学 宇宙創成物理学国際共同大学院 東北大学 学際科学フロンティア研究所 東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 |
問い合わせ先 |
東北大学 研究推進・支援機構 知の創出センター 担当:Fischer、前田 Email: tfc_webinar2★grp.tohoku.ac.jp (★を@に変更してください) |
オンライン参加の免責事項 ※必ずお読みください。
- パソコンやアプリケーション等の使用方法・操作方法については、本イベントではサポートできません。
- 回線、機器の状況によっては通信が不安定になる場合や、それを原因とした映像等の不具合が発生したりする可能性があります。
- 視聴用URLのSNS等の投稿による拡散や、メール等による他者への転送は禁止とさせていただきます。
※「知のフォーラム」とは、ノーベル賞受賞者など世界の第一級研究者と若手研究者や学生が日常的かつ機動的に柔軟な議論を行うことを通じて、人類共通の課題の解決に挑戦し、将来のグローバル・リーダーを養成するなど、国際的な頭脳循環のハブとして「知の飛躍」を創出する環境を醸成し、研究力強化を図る訪問滞在型研究プログラムです。
www.tfc.tohoku.ac.jp