2022年6月4日

東北大学知の創出センター×東京エレクトロン「人の幸せを大切にするIoT社会のデザイン」市民フォーラムを開催しました

 2022年6月4日(土)東北大学百周年記念会館 川内萩ホール2階会議室を会場に、東北大学知の創出センターと東京エレクトロンが約3年に亘り、人が幸せを大切にする近未来のIoTやAI技術について検討してきました協働プログラム「人の幸せを大切にするIoT社会のデザイン」のクロージングイベントとして、市民フォーラムを開催いたしました。

本イベントは三部構成で行われました。第一部は、本協働プログラムの活動報告および特別講演会を行いました。第二部では、「市民との対話」として、一般参加者と関係者の方々でグループディスカッションを行い、各グループの代表から議論のまとめを発表していただきました。第三部は、知の創出センター×東京エレクトロンの第2期協働プログラムをご紹介していただきました。

第一部では、東北大学小谷元子理事・副学長によるビデオメッセージにより開会のご挨拶をいただき、その後本プログラムのオーガナイザーである 堀尾 喜彦 教授(東北大学電気通信研究所)により、この3年間の活動の軌跡を振り返り、ワークショップ、シンポジウムや市民カフェで議論された論点をまとめました。「人の幸せ」の定義や解釈は個人個人で異なり、多様な人々の間で議論・相互理解が必要となる一方、IoT、AI技術について世代間や分野間で理解の格差が大きいことをお話されました。

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    小谷 元子 氏(東北大学理事・副学長 (研究担当))

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    堀尾 喜彦 氏 (東北大学電気通信研究所)

 続けて、久木田 水生 准教授(名古屋大学情報学研究科)による特別講演「人間にとってコミュニケーションとは何か——情報技術で変わることと変わらないこと」との題で、インターネット、電子メール、SNS 、ビデオ通話アプリ等の情報技術、そして、近年のメタバースやアバターなどの技術によってコミュニケーションの新たな可能性、検討されるべき課題をお話されました。2つ目の特別講演は、平田 泰久 教授(東北大学大学院工学研究科)による「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群:ムーンショットプロジェクトの目指す2050年の社会とは」では、AIロボット技術の活用によって、介護、リハビリ現場を例にして、過剰な支援を行わず、人の潜在能力をいかした様々な支援技術の開発をご紹介いただきました。

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    久木田 水生 氏 (名古屋大学情報学研究科)

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    平田 泰久 氏 (東北大学大学院工学研究科)

 第二部では、必要な「場」の創成ためのIoT技術をテーマに、グループに分かれたのち、「対面」「オンライン」においてのコミュニケーションについての討論が進みました。その後、各グループのファシリテータより議論のまとめをご発表いただきました。オンラインの利点として、場所を選ばない、様々な人との交流が可能になる一方、臨場感や実在感の不足、会話以外のコミュニケーションが制限されるという欠点も挙げられました。

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    グループ討議の様子

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    各グループ代表の発表の様子

 第三部では、知の創出センター×東京エレクトロンの第2期協働プログラム「デジタル×サステナブル社会のデザイン」について、総括である直江 清隆 教授(東北大学大学院文学研究科)より全体計画をご紹介いただき、「未来社会デザイン塾」「社会実装プロジェクト」「産学連携技術探索プロジェクト」それぞれの企画を担当オーガナイザーからご発表がありました。最後に、東京エレクトロン株式会社の荻野 裕史 氏より閉会の挨拶を賜り、終了となりました。

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    直江 清隆 氏 (東北大学大学院文学研究科)

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    荻野 裕史 氏 (東京エレクトロン株式会社)

 今回の市民フォーラムは、本プログラムの集大成となり、これまでの活動報告とともに、「人としての幸せの本質」や「様々な格差の扱いや解消」などを共に考え、今後IoTやAI技術を活用した未来社会をデザインするために、今後あるべき「人間中心」の科学技術の在り方、進め方について議論しました。たくさんのご参加、ご議論、ありがとうございました。

リンク:www.tfc.tohoku.ac.jp/special/tel